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Webサイトの「点字ブロック」の上に、自転車を停めていませんか? コーヒー屋の店主が考えるALTの話

大阪阿倍野・昭和町にある長屋で営む自家焙煎珈琲店「うさぎとぼく」です。

今日は、コーヒーとは少し違う、WebサイトやSNSの「ちょっと真面目な話」をしてみようと思います。
お店の姿勢にも繋がる、私たちが大切にしている考え方かも。

きっかけは、SNSで見かけた光景

最近、X(旧Twitter)などで、ALT(代替テキスト)という機能が、本来とは少し違う用途で使われているのを見かける機会が増えました。これまでにはなかった出来事だったのでビックリ。

ALTとは、「Alternative (代替)」の略で、Webサイト上の画像が何であるかを説明するための「言葉」のこと。
例えば、目の不自由な方が使う音声読み上げソフトは、このALTを読み上げて画像の内容を伝えます。

そのALTが、文字数制限を回避するための「追伸」や「補足情報」の置き場所、無地の画像を投稿して表では言えない気持ちの表明などとして使われているみたい。

この新しい使われかたに感心してしまいました。

それは「点字ブロック」の上に自転車を停める行為かもしれない

「別にいいじゃないか」と思う人もいるかもしれません。実際にXで「ALTを正しく使いましょう」と書いている投稿が「困っている視覚障害者を見たのか!」と批判されたりもしていました。
用途を知らないまま見ると、なかなか便利そうなALT。ただ、ALTの間違った使い方は、「点字ブロックの上に、自転車を停めている状態」のようにも思えます。

自転車を停める人に、悪気はないのかもしれません。
「ちょっとだけだから」「ここが便利だから」という、ほんの少しの個人的な都合。

でも、その行為が、点字ブロックを頼りに歩く人にとっては、行く手を阻む「高い壁」になってしまいます。

ALTも、これと全く同じ構図なのではないでしょうか。
自分にとっては少し便利な使い方が、それを本当に必要としている人から、情報を得るための大切な道を奪ってしまうかもしれない。

「専用」だから「優先」されるべきもの

個人的にALTは、視覚に障害のある方のための「専用」の機能だと認識しています。
だからこそ、他のどんな便利な使い方よりも、その目的が「優先」
されたほうが良いんじゃないかなと。

自分にとっては当たり前のことが、誰かにとっては当たり前ではない。
周りに対しての想像力を持つことが、社会で共に生きていく上で大切なことなのではないでしょうか。

VoiceOver、想像力を働かせるキッカケとして

盲の方の感覚を、完全に共有することはできません。

ただ、その状況を「想像するきっかけ」を得ることはできます。
今手に持っているiPhoneやAndroidスマホにも「VoiceOver (ナレーション)」という音声読み上げ機能があります。

一度、その機能を使ってご自身の好きなWebサイトやSNSを見て(聞いて)みてください。
画像が「画像」とだけ読み上げられ、その先が分からなくなってしまう心細さ。
逆に、丁寧なALTが読み上げられた時の、情景が目に浮かぶような安心感。

きっと、たくさんの発見があるはず、たぶん。

お店の「居心地の良さ」は、WebサイトやSNSでも

「偉そうに語って、じゃあお前はできているのか」と言われると、まったくそんなことはないんですが…。
うっかりALTをつけないで投稿してしまうこともしばしば。
(SNSによってはAIが自動的にALTをつけてくれることも…)

「うさぎとぼく」が、お店というリアルな場所でも、Webサイトというオンラインの場所でも、訪れてくれたすべての人にとって「居心地の良い、優しい場所」でありたいな…と。
カウンターの高さ、椅子やテーブルの配置を考えるのと同じように、Webサイトの片隅にあるALTという機能にも、きちんと心を配れるお店としてお店づくりを考えることができれば。

なぜ、そんな話をしたのかと言うと、うさぎとぼくが「心のバリアフリー認定施設」だからー!

この投稿が、ALTについて考えるちょっとしたキッカケになれば。

(ちなみに、こういった細かい配慮は、結果的にGoogleからの評価(SEO)にも繋がるという側面もあったりします。優しさは、巡り巡って自分にも返ってくるのかもしれませんね。)

おわり

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