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【コラム】未来のコーヒーはどうなる?知っておきたい価格と供給のこれから

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農園とコーヒー

私たちの生活に彩りや安らぎを与えてくれるコーヒー。しかし近年、「コーヒー豆の値段が上がっている?」「いつか好きなコーヒーが飲めなくなるの?」といった不安の声も耳にするようになりました。

この記事では、コーヒー愛好家の皆さんが気になる「コーヒー豆の未来」について、今後どのような変化が予測されているのか、時期ごとに分かりやすく解説していきます。

【現在~今後数年(目安:~2020年代後半)】すでに始まっている変化と、すぐ先の未来

実は、コーヒーを取り巻く変化はすでに始まっています。

価格上昇の常態化: 皆さんも感じているかもしれませんが、コーヒー豆の価格は世界的な需要の増加、円安、異常気象による生産量の変動、輸送コストの上昇など、様々な要因が絡み合って上昇傾向にあります。この傾向は今後も続くとみられ、コーヒー豆はじわじわと値上がりしていく可能性が高いでしょう。
人気銘柄の品薄感: 特定の有名な生産国の豆や、希少価値の高いスペシャルティコーヒーは、気候の影響を受けやすかったり、世界的な人気が集中したりすることで、時折手に入りにくくなったり、価格が一時的に大きく跳ね上がったりする場面が増えてくるかもしれません。
「少し贅沢な一杯」へ: これまで比較的安価に楽しめていたコーヒーも、少しずつ「少し贅沢な一杯」という位置づけに変わっていくかもしれません。
消費者にとっては、これまでよりも少し高い価格でコーヒーを楽しむことが徐々に一般的になっていく、そんな時代に入りつつあると言えそうです。

【中期的な未来(目安:2030年頃~)】供給の不安定さと品質への影響がより鮮明に

もう少し先の未来、2030年頃になると、気候変動の影響がさらに顕著になり、コーヒー豆の供給や品質に以下のような変化が現れると予測されています。

供給の不安定化が進む: 地球温暖化に伴う気温上昇や、干ばつ、豪雨といった異常気象、さらには病害虫の発生などが、コーヒー生産地をこれまで以上に脅かすようになります。これにより、特定の国や地域でコーヒー豆が大幅に減産し、供給が不安定になるリスクが高まります。
品質のばらつきが大きくなる可能性: 天候不順は、収穫量だけでなくコーヒー豆の風味や品質そのものにも影響を与えます。同じ農園、同じ製法の豆であっても、収穫された年によって味わいが大きく異なるということが、より頻繁に起こるようになるかもしれません。安定した品質の豆を継続して手に入れることが、以前より難しくなる可能性があります。
見慣れないコーヒー豆の登場も?: これまで主力だったアラビカ種の一部の品種(例えば、繊細で高品質なもの)は、気候変動の影響を受けやすいため、生産量が減少していく可能性があります。その代わりに、比較的暑さや乾燥に強いとされる他の品種や、これまであまり注目されてこなかった新しい生産国のコーヒー豆が、市場で見かける機会が増えるかもしれません。
この時期には、私たち消費者が手に取るコーヒーの種類や産地にも、少しずつ変化が見られるようになるかもしれません。

【長期的な未来(目安:2040年~2050年以降)】大きな転換期、「コーヒーの2050年問題」

さらに長期的な視点で見ると、コーヒー業界にとって非常に大きな課題が待ち受けています。それが「コーヒーの2050年問題」です。

「コーヒーの2050年問題」とは?: これは、2050年までに、現在アラビカ種(スペシャルティコーヒーの主流品種)が栽培されている土地の約半分が、気候変動の影響(気温上昇や降雨パターンの変化など)によって栽培に適さなくなる可能性があるという衝撃的な予測です。
アラビカ種の危機と価格高騰: もしこの予測が現実のものとなれば、特に品質の高いアラビカ種の供給量は世界的に大幅に減少し、その価格は現在からは想像もつかないほど高騰する可能性があります。コーヒーが非常に希少で、一部の人しか楽しめない高級品になってしまう未来も、決して絵空事とは言えません。
コーヒーのあり方が変わる可能性: このような未来を避けるため、世界中の研究機関や生産者は、気候変動に強い新しい品種の開発や、より持続可能な農法の導入、栽培地の移動などを必死に進めています。これらの努力が実を結ぶかどうかが、未来のコーヒーの姿を大きく左右することになるでしょう。
2050年は遠い未来のように感じるかもしれませんが、この問題はすでに現在のコーヒー生産にも影響を与え始めており、私たち一人ひとりが関心を持つべき重要なテーマです。

最後に

コーヒーを取り巻く環境は、残念ながら今後ますます厳しくなっていくことが予想されます。しかし、ただ悲観するのではなく、まずはこの現状を知ることが大切です。

私たち消費者ができることは限られているかもしれませんが、一杯のコーヒーが私たちの手元に届くまでに、どれほど多くの人々の努力と自然の恵みが関わっているのかに思いを馳せ、日々の一杯を大切に味わうこと。そして、もし機会があれば、持続可能な方法で生産されたコーヒー豆を選んでみるなど、小さな行動を心がけることが、未来のコーヒーを守る一助になるかもしれません。

これからも美味しいコーヒーを楽しむために、私たちもコーヒーの未来について考え続けていきませんか。

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