きっちりとした文章を書こうと思ったのは久しぶりですね。
さて、
新しくお店の焼菓子を製造いただく福祉施設さんとちょっとした行き違いがありまして、仲介いただいている法人さんへの謝罪文を読ませていただきました。
特に問題自体は大したことがなかった(?)のですが、あらためて文章を読んでみるとちょっと気になる一文が、あらためて自分たちが施設商品を扱う意義を考えるキッカケになったのでシェアしておきます。
その一文が「私たちは支援者なので、決してシェフでもなく、パン屋さんでもお菓子屋さんでもありません。ご利用者主体のお店…」という内容。
利用者さんは、自分たちの仕事について問われたときになんと答えるんだろう?
私たちが、施設の商品を取り扱ったところで、一店舗でまかなえるのは微々たる量と金額。
なので、なるべく私たちが行なっている取り組みをつながりのある人に認知してもらい取り組み輪を広げていくようなこと、障がいのある人の労働の社会的な価値を高めていくことを大切に行なっています。
障がいのある方が作った商品が「一般の人と比べても商品に遜色がないよね」「むしろ丁寧な仕事をしているんじゃないか」と思ってもらえるような発信や商品の見せ方を工夫しています。
おかげさまで、つながりのあるお店やお客様で、福祉施設の商品やサービスを選ぼうと意識いただいている方が増えていることを実感しています。
施設に通う障がいのある利用者さんに、賃金での評価以外の「社会の役に立っているという実感」や「労働者としての自信」を持っていただけたら、そう考え、お店の軸として開業当初から取り組んでいることです。
職員さんのほうは、自分たちの仕事は「支援者」で「パン屋さんやお菓子屋さんではない」と言うけれど、利用者さんのほうは「あなたの仕事はなんですか?(何をしている人ですか?)」と聞かれたときに、いったい何だと答えるんだろう。
返ってくる答えは、きっと「パン屋さん」だったり「お菓子屋さん」だったりするんじゃないでしょうか。
利用者主体って、一体どういう意味なんだろう?
障がいのある方の「なりたい自分になるという気持ちを大切にすること」や「労働者としての人格を尊重する」ことなんだと思います。
もし、地域のお客様や他の取引先が、施設の職員さんから「私たちはパン屋さんでもお菓子屋さんでもない」と伝えられたときに、利用者さんの仕事まで低く評価してしまうことに繋がってしまわないか、そんなことを心配してしまいます。
パンやお菓子を買いに来られたお客様の目の前で、利用者さんの目の前で同じことを言えるのでしょうか?
私たちは間接的な関わりしかできないですが、どうすれば障がいのある方の生活や労働が豊かになっていくのか、これからも一緒に考えていければなと思っています。