かぞえなさんな(森の盆踊り)
シングル|2026年8月20日リリース|3分23秒

提灯がひとつ灯ればひとり、ふたつ灯ればふたり。森の奥に、いつのまにか輪ができています。
きつね、たぬき、かのしし、ふくろう。お面をつけた者たちに混じって、輪の外からそれを見ている「あたし」がひとり。生と死の境目が溶ける盆踊りをテーマに、少年少女合唱団の声で歌う一曲です。
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歌詞
ほう ほう ほい
むかえびたいて たいこをうてば
もりのみちみち うさぎがとおる
ちょうちんひとつ ともせばひとり
ふたつともせば ふたりくる
ほう ほう ほい
きつねに たぬき かのしし ふくろう
みなみなそろうて わになりまして
つまさきそろえて そでふりあわせ
ひょうしはふたつ くるり くるり
ほう ほう ほい うさ ほい さ
かぞえなさんな わのにんずうを
かぞえりゃ ひとり おおうなる
よばれなさんな なをよばれても
へんじしたなら もう もどれぬ
ほう ほう ほい
あたしゃわのそと つゆくさのうえ
つきはこうこう てらせども
おどるしゅうにゃ かげひとつなく
あたしばかりに かげがある
ほう ほう ほい
ひとつおどれば むかしがもどる
ふたつおどれば かおがみゆる
みっつおどれば なをおもいだす
よっつおどれば ひがしが しらむ
ほう ほう ほい うさ ほい さ
たいこもやんで うさぎもきえて
やぐらもとうろも かげもなし
くさは たおれず つゆもみだれず
ゆうべのわなど なかったよに
ほう ほう ほい
ほう ほう ほい
この曲ができるまで
盆踊りという、境目のない夜
盆踊りは、迎え火を焚いて帰ってきた者たちと、こちら側の者が同じ輪に入って踊る行事です。踊っているあいだだけ、生と死の境目が溶けている。そこがずっとおもしろいと思っていました。
だから、この曲では誰が生きていて誰がそうでないかを説明していません。ただ、輪の人数を数えると、なぜかひとり多い。名前を呼ばれて返事をしたら、もう戻れない。そして月に照らされているのに、影があるのは「あたし」だけ。──それだけを置いています。
「うさほいさ」という掛け声
これがはじめての日本語作詞になりました。歌詞を書くにあたって、まず決めたのが囃子詞です。
「ほう ほう ほい」は、どこの土地の盆踊りにもありそうな、意味を持たない声。そこにうさぎの「うさ」を差し込んで、「うさ ほい さ」という造語をつくりました。うさぎとぼくの森でしか鳴らない掛け声です。曲のなかで二度だけ出てきます。
少年少女合唱団の声で
これまでは店内BGMとして、アコーディオン・ミュゼットを中心に作ってきました。この曲からは、うさぎとぼくの世界観がそのまま伝わるような、少年少女合唱団が歌う「わるいこの童謡」のような楽曲も作っていければと思っています。
明るい旋律と子どもの声で、少しだけ怖い歌詞を歌う。そのちぐはぐさが、この森の手ざわりに近いように思います。
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