ここのところ世間を騒がせていた航空会社と車イスのニュース。
ツイッターを見ていると、かなりの場外乱闘に発展していました。障がいのある方に関わってきた立場としては、興味深かったです。
イチバンしっくりと理解できたのは、いすみ鉄道社長のブログ。
そろそろ話題も収束していくのかなぁ…と思っています。
このニュースが流れてから「障害者差別解消法」や「合理的配慮」についての話題がチラホラと上がっていました。これは公共施設だけでなく、飲食店としても知っておかないといけないことですね。
障害者差別解消法と合理的配慮について
障害者差別解消法
障害者差別解消法は、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、平成25年6月に制定されました。(内閣府)
合理的配慮とは
合理的配慮(ごうりてきはいりょ)とは、障害者から何らかの助けを求める意思の表明があった場合、過度な負担になり過ぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために必要な便宜のことである。 障害者権利条約第2条に定義がある。(wikipedia)
障害者差別解消法リーフレット (内閣府)
障がいを理由とする差別の解消に向けて (大阪府)
上記のリンクからpdfなどを見ると分かりやすいです。
カンタンにいうと「障害を理由にお店に入ることや商品を販売することを断ったらあきませんよ」「配慮してほしいと言われたら可能な範囲でやりましょう」「無理そうだったら解決策を一緒に考えましょう」というようなこと。
この「解決策を一緒に考えましょう」というところがポイントなんだと思う。
相手が何も言ってこなくても障害者には差別せず手厚く配慮しましょうね、ということではないからね。
サービス業だと大阪府の 接客のヒント集(pdf) とかが具体的なイメージを掴みやすいですかね。
結局のところ、聞かないと分からないし、言わないと伝わらない
ウチのお店にも車イスのお客様が来られます。
今回のニュースの人みたいな感じでなく、知的重複の方の割合が多いと思います。
入店されたときに「車椅子から降りるのかどうか」「手の麻痺などがあるか」「コミュニケーションがどれだけ取れるか」などあたりをつけながら、コミュニケーションや提供の工夫などの対応していきます。トイレは車イスで利用できないとお伝えします。他にも、盲、聾、知的や精神の方もおひとりで来られたりするので、理解の度合いを見ながら、必要だろうと思われる配慮を想像しながら対応しています。
見た目では性自認や性志向などの判断はつかないので、彼氏彼女などの性を特定するような言葉もなるべく使わないようにしています。
ただ、過度な接客も差別や人権侵害だと思っているし、結局は分からないことも多いので、お店側の想定する範囲である程度だけ。それくらいでいいと思う。
見た目では判断がつかない場合もあり、判断がつかないと配慮が必要なところに適切な配慮ができない。
車イスのお客様もそれぞれで、障がいの有無に関わらず必要な配慮については人それぞれ。
「言わなくても見たら分かるだろう」ということはひとつもないんですね。言わなかったらニーズがないと判断していいくらいだと思ってる。
場所を変えて何度も同じことを言うのはしんどいけど、やっぱり必要だったら言わないと分からない。これは当たり前のこと。
相手が発達障害でまったく空気が読めない人かも知れないんだし…。普通にありうる。
何も言わなくても誰もが同じサービスを受けれることが理想だけど、それはやっぱり理想。
お互いの立場に想いを馳せて一緒に考えましょうね、というスタンスでいないと解決するものも解決しないんじゃないかなぁ。
そんなことを思っています。